秋田大学工学資源学部
応用地球科学教室 岩石学・災害科学研究室

岩石学的研究


 本研究室では,主として東北地方に分布する深成岩(花こう岩類)と付随する変成岩について研究しているほか,フィンランド,スウェーデンなど北欧の深成岩についても研究してきました.また,火山岩としては,主として東北地方の後期新生代の火山岩について研究しています.

その1.火成岩の身元と年齢を調べる
その2.火山深部の環境を探る
その3.マグマを知る

 「岩石学・災害科学研究室」



火成岩の身元と年齢を調べる
 これらを研究するにあたっては,まず対象の地域を地質調査することから始まります.異なる種類の岩石(マグマ)の空間的な関係や,できた時間の前後関係はどうなっているのかを調べ,深成岩体や火山がどのようにして形成されたかを検討します.調査で採取した岩石サンプルは,薄く切って顕微鏡で観察したり,サンプルの化学分析を行います.このことによって,マグマの岩石学的・地球化学的な特徴や,岩石に残された温度や圧力などの地下の情報を調べます.このほかに,質量分析計を使って同位元素の測定を行います.この研究からは,岩石の同位体比やできた年齢(マグマが固結した年代)を調べます.


浅川ほか(1999)のアイソクロン図

 上の図 は岩手県南部の氷上花こう岩地域の岩石サンプルについて,ストロンチウムやルビジウムという元素の量や同位体比について測定したものです(浅川・丸山・山元,1999).各サンプルの値は直線上にあります。直線の傾きから,氷上(ひかみ)花こう岩のマグマは約 4.4 億年前に固結したことを示しています.日本列島の土台となる地質は,いつどこでできたのかをめぐり,多くの研究者が議論してきています.この問題に関連して,氷上花こう岩体の年代測定結果やマグマの岩石学的・地球化学的な研究結果は,ひとつの解答を与えることになりました.

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火山深部の環境を探る
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安井君撮影のカンラン石斑晶と石基のクロスニコル写真
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 上の写真は,玄武岩溶岩の顕微鏡写真です(岩手県北部,稲庭岳地域産).稲庭岳地域の火山活動は,今から約700万年〜300万年前ころに起こりました(安井・山元,2000).この時期の東北地方の火山活動は活発で,大規模なカルデラ火山が多数形成されたと言われています.
 稲庭岳地域の岩石は,同じ東北地方に分布する新しい火山岩に比べて,マグマの温度が,全体として高いという傾向があります.これらの特徴が何を示しているのかについて,研究をすすめています.

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「岩石学・災害科学研究室」


マグマを知る
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ロシア産ザクロ石カンラン岩から分別された鉱物

 火山岩の中には,地下深くのマントルと呼ばれる部分の岩石を運んできているものがあります.私たちは,秋田県男鹿半島の一の目潟,西南日本の各地,それにロシアのバイカル湖付近の火山岩中に産するマントルかんらん岩について研究しています.上の写真は,化学分析試料としてロシア産のザクロ石カンラン岩について鉱物ごとに集めたものです.赤い色の鉱物はザクロ石(ガーネット)です.
私たちは,このような岩石の特徴を調べ,地下深い場所の圧力と温度の関係について調べてきました(山元・阿部・阿部・安井・岸,1999).このほか,カンラン岩の鉱物について,花こう岩と同じような年代測定法を試みています.例えば,一の目潟の直下にあるマントル物質は,2〜3 億年前に融けてマグマを発生したことがあると考えています(阿部・山元,1999).

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Produced by M. Yamamoto, Uploaded by T. Tsutsui, 2001.4.17